持ち手が輪になった花鋏を華道用と区別して園芸鋏と呼んでいるようです。
その中で全体が細く持ち手と刃の部分が離れている繊細な鋏は盆栽鋏の分類らしく、その中の代表的なものがサツキ鋏。枝の間の狭い部分に届く構造になっています。
サツキ鋏
要(かなめ)部分が分解できないカシメ方式で内側の刃先が丸く摩耗しています。できるだけ平らにするのですが要の近くは研げないので先端に向かって斜めになっていきます。
ところがカシメに、ある程度遊びがあることで問題なく切ることができるのです。特に日本人は手先が器用ですから遊びのある鋏でも気にせず使いこなしてしまいます。カシメを締めすぎるとむしろ噛み合わせに問題が出る場合があります。
こちらは園芸鋏の中ではがっしりした作りで持ち手全体が輪になっており、しっかり握ってある程度太目の枝でも切ることができます。
松葉切り鋏
今回のはネジが外せるタイプなので分解して要部分も通して研ぐことができました。
太い枝を切るときに遊びがあるとお互いの刃を齧り合う現象が起きやすいので、分解できるタイプの方が研ぎ直した時でも安定します。
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