ナイフ

包丁はキッチンナイフですが、日本ではナイフと言えば野外で使う頑丈なものをイメージします。
珍しくナイフの形状変更と研ぎの注文がありました。

全体の形

元の形を見ると、装飾品の意味合いが大きいようで立体的なダマスカス模様が目を引きますが、刃角は35度ぐらいあり、研いでいないこともあり全く切れません。

注文内容は「使える刃角に研いで、全体の形はお任せ」なので元の形から可能な、切れ味の良い刃角でナイフらしい形を目指しました。
鋼はステンレス(たぶんATS-34)製なので、刃角22度前後。刃先近くは強化が必要で小さな蛤刃とします。

先端近くの峰のラインが乱れていたので、最初に整形。切っ先まで滑らかな刃を付けるためと、鋭さを感じさせるためです。
非常に時間がかかりましたがナイフらしくなりました。

ダマスカスナイフ鍛接不良

裏側の一部に黒いシミのようなものが見えますね。残念ながら、大きく削ったら鍛接不良な部分が出てしまったのです。
切れ味には何ら問題がないのでこのまま使っていただきます。
ダマスカス模様は天然仕上げ砥石で美しく残りますので、切刃部分は切り抜け抵抗を減らすためにも、滑らかに研ぐべきです。

コメント