鋼割込み菜切り

最近多く見る三徳包丁や牛刀での割込みは三層鋼に出来上がった素材を使ったものが多く、鍛接ではありません。峰の部分まで鋼が均一に入っているので見分けることができます。

菜切りのような鍛造法が本来の「割り込み処理」です。赤く熱した軟鉄に割込みを入れ、鋼を挟み込んでから叩いて薄く伸ばします。峰の部分には鋼が入っていません。

東型菜切り

菜切り独特の刃付けがなされており、表と裏では刃角が全然違います。
材質は全鋼もありますが今回のものは軟鉄と鍛接されていますので霞み模様が美しく出ます。

東型菜切り 錆びにくいタイプ

刃先ラインが非常に丸みを帯びていますが、「特殊な使い方なのでこのラインを保って欲しい」との注文がありました。東型の特徴です。

西型菜切り

こちらが西型で昔からある鋼と軟鉄の打ち刃物です。あまり使われていないらしく新品の形を残しています。
本来の姿に研ぎ上げたので鋭い切れ味が持続すると思います。

ステンレス割込み菜切り

西型ですが前回研いだ方が刃元側を減らしすぎていたので刃先ラインが丸く、やはり切り残しがあるそうです。説明した上で修正しました。
ステンレス鋼割込みでもかなり刃持ちの良いもので錆に強くメンテナンスは楽です。

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