疑問な研ぎ

近くに超巨大ホームセンターがありまして、家庭用包丁では有名なメーカーの展示販売所もあります。
研ぎも受け付けているのですが、羨ましいほど大きな横回転の円砥を使っております。

ところがここでの研ぎは例の円砥(粒度#400以下)で刃先を撫でるだけで、仕上げ研ぎはしません。しかもかなりの鈍角(25~30度ぐらい)なのです。
メーカーのアンテナショップですし、有料なのですから天然砥石までは使わなくても正しい刃角で#2000程度の中仕上げはして欲しいのです。

以下の6本はここで研いでもらった方が使いづらいと、再度私に研ぎに出していただいた包丁です。
それぞれ下段が私が研いだ結果です。正しい刃角に研ぐと切刃の幅がまるで違うのがわかると思います。

三徳包丁・2種

上はハイカーボンステンレスなので硬くて切れる素材ですが、塩分や酸が付いたまま放置すると多少は錆びます。
下は鋼をステンレスで挟み込んだ割り込み包丁です。このステンレスは炭素をほとんど含んでおらず柔らかく錆にも強いのですが肝心の鋼は簡単に錆びますから、使用後は必ず乾いた布で拭く必要があります。

ペティナイフと牛刀

どちらも薄手なので切刃の幅は狭いですが正しい刃角に仕上げた結果です。

柳刃包丁と中出刃

柳刃まで鈍角な2段刃ではお刺身は切れませんね。
和包丁は切刃が非常に広いので鈍角部分を研ぎおろすには時間がかかります。
出刃包丁はステンレス製です。ステンレス製の和包丁は鋼に比べて少し柔らかいので軽いハマグリ刃にして強度を上げます。仕上げは全体を少し柔らかい天然砥石で薄曇りにし、刃先だけ硬い天然砥石で光沢を出すと見た目も楽しくなります。

希望により切り刃全体を光らせることもあります

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