包丁の柄を交換しました。
グラグラしてそのままでは研げないほど重症でしたので工程をご紹介します。
中子が収まっているあたりがひどく膨らんでいますね。
この様子では錆のため中子がかなり短くなっているものです。
どんな具合か確かめようと少し引いたら簡単に抜けてしまいました。
普通は8cm位あるはずですが、2cm残っているかどうか?
普通に交換しても全く強度不足ですからエポキシ接着にしますが、それにしても中子が短すぎるため刃元部分を削り、少しでも多く確保しなくてはなりません。
マークしてから切断砥石で加工。
切り込む角度も少し変えて刃長をできるだけ長く、中子は3cm強になりました。
菜切り型包丁なら強度的に耐えられそうです。
エポキシパテ充填方式で完成した柄の付け根
エポキシは接着力が強いので充填すれば3cmの中子でも大丈夫。
今後水が侵入しないように付け根を塞ぎます。
もう一つの課題、先端部の大きな欠けを修正します。
ようやく完成しました。
銘は丸の中に久のみで他に何もありません。
恐ろしく硬い鋼で砥石が負けるほど。パリパリの硬さではなく、非常に摩耗しにくいタイプです。
青紙スーパーでしょうか?よほど腕の良い鍛冶屋さんの作と思われます。
菜切りの一種ですが裏スキがあるので薄刃包丁と呼びました。
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